津田久美恵展 "At This Moment" スタート（京都）

TKGエディションズ京都では、3月28日（土）から津田久美恵展 "At This Moment" が行なわれています。

津田久美恵は1980年神奈川県生まれ。2006年東京芸術大学大学院 美術研究科彫刻専攻 研究生を卒業。小さなセラミック（陶磁器）を組み合わせたインスタレーションを構成していきます。今回ももちろん、インスタレーションのために東京からいらしてくださいました。


今回の展覧会について、作家は次のように語っています。
「毎回そうなのですが、インスタレーションを前提に作品を作っています。大学で彫刻科を専攻したのも、高校生のときにウォーホルの"Silver Clouds"をみてインスタレーションに興味を持ち、彫刻科ならそれができると思ったんですね（笑）。わたしにとって空間のない制作はないんです。今回は、天井高がちょうど自宅と同じくらいで、とても親しみが沸きました。展覧会タイトル"At This Moment"にも、『京都のこの空間でしかできない展示』という意味が込められています。」

また、制作のコンセプトは「素直さ」だと語る津田さん。日常で感じていることがそのままストレートに作品に表れてしまうのだとか。
「時間や距離って、一体なんだろうって思います。不思議でたまらない。たとえばこうして目の前で話すことと電話で話すこと、海外からメールを送ること、全部伝えることは一緒だけれど何か違いますよね。人やモノがあって、それがどう繋がっているか。そうした目に見えないものにとても興味があります。」

そう語る津田さんのインスタレーションには、複数の作品にピンと張り巡らされた糸がよく使われています。「これもそう、モノとモノがあって、繋がっている。それに、この糸を目で辿っていくことで空間全体がわかるような効果もあります。」

今回の展示では、何枚もの木材をノコギリで切ったり、電球を組み立てたりと、時間をかけて空間をつくりあげた津田さん。不思議な世界の奥深くに迷い込んだような感覚を覚える、見事なインスタレーションです。是非この機会にご高覧ください。


TKGエディションズ京都